濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「ああ。朱里と式をした場所だが…」


「やっぱりな。紗耶はここで挙式がしたいらしい。親父達と同じがいいんだな…」


「紗耶らしいな」


「ああ。意識が戻ったら…話しを進めるか。親父ありがとうな。後は俺一人で平気だ」


「そうか。何かあったら遠慮なく連絡してくれ。紗耶は大事な家族なんだからな」


「ありがとな」




親父は病院を去って行くと、俺は椅子に腰をかけ紗耶の様子を見守った。