濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「…紗耶…守ってやれなくて…ごめんな…ごめん…」


「翔矢君…翔矢君は紗耶の事守ってくれたわ。翔矢くんがいなければ…今頃…紗耶は……」


「……………」


「ありがとう。翔矢君…ありがとう…」




紗耶の母親は泣きながら何度も俺に頭を下げる。


頭を下げられる様な事は、何もしてねぇのにな…。


俺がついていながら…お前を傷つけてしまった…。


…何してんだ俺。