濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-



「…紗耶」


「う、うん?」




翔ちゃんは後ろから私を優しく抱きしめながら、静かに名前を呼ぶ。


いつもの翔ちゃんの声なのに、違って聞こえるのはどうしてだろう。


本当くすぐったい。




「ありがとうな。身も心も俺に預けてくれて」


「ううん。私もそうしたかったから…私、嬉しかったよ」




またもう一つの新しい翔ちゃんが見れて、とっても嬉しかったよ。


翔ちゃん、かっこよかったよ。