黒の世界


なんだか恥ずかしさがこみ上げてきて、顔に熱を帯びるのを感じた。




「・・・送ってく。家、教えろ」



ソウキがそう言ったのと同時に、肩にあった手はどかされた。






「どこなんだ?」




「え・・・いいよ」




「いいから」



微かに遠くからパトカーのサイレンが聞こえる。



周りには、さっきまでの人達はいない。



散ったのだろうか・・・




「あっ、ここ右に曲がってください。・・・後は、真っ直ぐです」