2月。
春休みになった奏は、北海道に残らず東京にいた。

「奏?就活どう??」

久しぶりに会った卓は奏に言う。

「うーん・・・説明会には行ってる。あと、出版社の書類は書いてるよ。」


奏の夢は編集者。
本が大好きで、暇さえあればいつも本にかじりついていたくらい。


よくパパは言う。
「奏はパパに似て、読書家だなぁ」
と。

奏は出版社の説明会や、書類書きに追われる毎日を過ごしていた。

「卓こそ、就活どうなの??この前、面接が2つあるって言っていたじゃない?」


「うん。次、最終面接なんだよね」

「がんばってね!!!卓なら、絶対に受かるよ」


「さぁ、奏、勉強するよ!!!」


奏は、一般教養とか、試験勉強を卓にみてもらっていた。

「ここは、どうやって解くの??」

「これは、この公式を使うんだよ」