大橋 奏


3年生は奏以外に八人、四年生は五十人が選ばれていた。
思いもよらない出来事だった。




発表があってからというもの、周りからは色んな言葉が飛びかっていた。

「奏おめでとう!頑張ってね!」

なんてのもあれば、


「なんで奏なの!?もっと頑張ってる人いるんぢゃない? 」

なんてのも、


「奏って成績よかったんだー!」


言わせておけばいい。そう思ってニコニコして過ごした。


奏は本当は選ばれた事がとても嬉しくて、北海道のパパとママに報告の電話をした。


「奏、選抜に選ばれたの。奏頑張るからね!」

「奏は頑張りやさんだから、ちゃんと神様は見ててくれたんだなぁ。パパも、再就職に向けて頑張るからなぁ。」


そんなやり取りが、嬉しくて、奏が頑張れば、きっと大橋家にも光は見える!!そう信じようと決めた。

少し光が見えた、そんな4月の事。