パパはそう言うと、部屋を出た。



パパ、困らせてごめんね。
でもこれが奏のホントの気持ちだから。




朝起きると、あの人と茜の姿はなく、萌も学校に行くと言って、すぐに出かけた。



家には、パパと奏、クリームだけになった。


奏にパパは言った。

「ばあちゃんは、パパの会社の倒産も、別居も、全部わかってて、亡くなったんだよ。きっとね。だから、久しぶりに話し合いの場も与えてくれたし、ちゃんと言葉にして言いなさいっていう意味なんだよ。 だから、昨日、奏が言った事はよかったんだと思うよ。
奏も、ばあちゃんの自慢の孫なんだから、自分がやりたいこと、精一杯やっておいで。お金の事とかは大丈夫だから。心配しなくていいから。」



「わかった。奏は、ただあの人が許せないんだ。 だから、あんな言葉になった。でも後悔とかはないから。また東京帰って奏は頑張るから。 じゃあ、奏帰る準備するから。」


部屋に戻る奏。


ふと思った。
パパ、春から比べてかなりやつれて、疲れた顔してる…
奏も頑張らなきゃ。

この頃から、奏は体に異変がではじめた。


10月中旬の事だったと思う。