奏にとってすごく久しぶりのみんなで食べるご飯。
久しぶりに誰かに作ってもらうご飯。嬉しかった。

「いただきます」

奏に比べたら、まだまだの妹のご飯。
でも、みんなで囲んで食べる夕食は嬉しかった。

「奏、発表はどうだったんだ?」
パパがいう。

「たくさんの人に発表できて、好評だったんだよ。また、冬の発表も頑張るよ。」

ご飯のときに、会話なんていつ以来だったっけ??
奏は思い出してもわからなかった。
夕食後も、東京の話、学校の話、一人暮らしの話。
たくさん話した。
そして、次の日に学校の萌のお弁当を作ってから、ベットに入った。

突然、奏の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
コンコン。

「奏??パパだけど、いいかぁ??」

ドアが開いた。

「奏、ママの話なんだけどな、奏には本当のことを話しておこうと思うんだ。聞いてくれるか??」

なんだか、怖くなった。とんでもないことを話されるんじゃないか・・・・

「いいよ。どうしたの?」

「あのな、ママ、多額の借金を作っていたんだ。毎日、電話が鳴って、借金の電話ばかりでパパは気がめいりそうだよ。それに、奏に使ったってママはいってるんだ。」



その後、パパが何を言っていたのかは覚えていない。

奏は何1つ知らなかった。