私は抵抗せず、手を引かれるままに歩いた。
―――頭の中がぐちゃぐちゃだったから。
なんで斎藤和弥の妹が拓海と……
「麻衣に彼氏ができたのは知ってたけど、凜ちゃんの弟だったなんてな」
「そうですね」って答えようとしたけど、斎藤和弥の不敵な笑みを見て、私は言葉が出なかった。
「あ…の……先輩…?」
「自爆しちゃったな?」
「は…?自爆?」
わけ分かんない……
なにが自爆よ。
首を傾げる私に、斎藤和弥は言う―――
「なんで麻衣の名前知ってんの?」
この言葉でこいつが何を言いたいのか分かった。
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