目当ての品を手に、会計を済ませた私は、また自分の家に向かって走り出した。 角を曲がると、和弥の姿が小さく見えた。 良かった、居た…… 和弥との距離が縮まって、私はゆっくりとスピードを落とした。 「待っててくれたんだ?」 「はぁ!?お前が待ってろっつったんだろ!?」 「ははっそうだった」 「ったく。いきなり何なんだよ」 「ごめんって」 和弥の拗ねたような表情を見るのは久しぶりだ。 私は一度顔を伏せて、ゆっくりと和弥を見上げた。 「はい和弥。ハッピーバレンタイン」