「今…何か…聞こえた?」
「……多分」
あの時のように公園の方から聞こえる女の声。
「麻衣ちゃん…じゃないよね?」
「違うだろうけど…」
「行く…?」
「…行くか」
私達はゆっくりと公園の方を向き直ると、走り出した。
私が……
この私がっ……
勇気出して告白ってときに……!!
ふ ざ け ん な!!
「っ!?何だお前等!?」
「るっせぇ!アホ!!」
「は〜男二人で女を押さえるとは……」
冷静な和弥をよそに、私は一人の男の胸倉を掴んで殴った。
「にっ逃げ…!」
「逃がさねー…よっ!」
和弥は逃げようとしたもう一人の腕を掴んで、背中へ捩り上げた。

