一人で考え込んでいるうちに、バスはいつもの駅前へ到着する。 「あ。いいよ、一人で帰るか…ら…」 「…却下」 「って待ってよ」 私の意見なんて聞く耳持たずの和弥はスタスタと歩き出した。 なんか、いつものパターン。 私がおとなしくなったのを確認したのか、和弥は歩くペースを私に合わせてくれた。 本当、優しいというか何というか……。 「あ…」 私は、ある公園の前で足を止めた。 ここ……。 「あの時の公園だな」 「……うん」 あの日、麻衣ちゃんを助けた公園。 それから和弥との関わりが始まった。