楽しい時間は本当にあっという間に過ぎて―――。
「そろそろ帰ろっか」
夏帆の一言で、私達は遊園地をあとにした。
今日は迷子に会うわけもなく、花火大会があるわけもなく、ただただ楽しんだ。
「んーじゃ、俺達はここで。……凜ちゃん、またね」
「えっ」
「和弥は凜ちゃんのこと送り届けろよ?」
「は…?おい聖剛っ!」
「凜っ!じゃーねーっ」
「……ちょっ夏帆!?」
嵐が去って行くような感じだった。
夏帆達は私と和弥を残して、笑顔で帰って行った。
なんかあの二人、歩くペースが異様に速いような気がするんだけど……。

