和弥が優しい笑顔を見せて、いつの間にか私も笑っていた。
「でもなんか………複雑」
「複雑?」
和弥は意味が分からないという感じで、私を不思議そうに見た。
「一年前の今日は、あんなことがあったのになーって……」
目を細めて空を見ると、はらはらと雪が私の顔に落ちてくる。
そんな私の横に立った和弥は、同じように空を見上げて「だな…」と小さく呟いた。
「凜ーっ!!先輩も!置いて行くからねーっ」
「あ、夏帆…」
「あいつら早…」
声の方を見ると、夏帆と聖剛さんはもう離れた所にいた。
――『ダブルデートなら自然に誘えるじゃんっ』
夏帆は自分が聖剛さんと出かけたいから…なんて言ってたけど、多分私のためなんだろな……。

