「あ、りがとう」
「どーいたしまして。…じゃ、俺も探し物見つけたし、行くわ」
固まった私は返事もできないまま、パタリと閉められたドアを見つめた。
「凜、おっそーい!」
「えっ夏帆!?なんでっ!?」
「なーによ。私が待ってたら悪いわけ?」
「やっ、てっきり帰ってるかと…」
担任へ資料を届けて教室へ戻ると、帰ってるはずの夏帆がいた。
夏帆は私の席に座って、机をコンコンと叩く。
「ごめん、ありがとね」
「いいって。帰ろっか」
夏帆から鞄を受け取り、私達は学校を後にした。
いつもの様に家に帰って、ベッドに腰掛ける。
「はぁー…」
久しぶりに和弥と話しただけで、すごく疲れた気がする。
誰かを好きになるってすごいな……。

