その日の夏帆は恐ろしかった。 ―あの映画の後、どこ行った? ―先輩とどこまでいった? ―告白された? とにかく根掘り葉掘り聞かれた…。 てか、告白されるなんて…絶対ありえない。 あの尋常じゃないくらいモテる男が、私に告白だなんて。 でも…じゃああのキスは何だったんだろう…? 単なる挨拶…みたいな? ああいうことに慣れてない私をからかいたかった? 分からん……。 いつだったか夏帆から言われた恋する乙女……。 「…まさにそれじゃん」 私は枕を抱えて、ゴロンと寝返りをうった。