言葉通り、和弥は家まで送ってくれた。 当然の様に繋いだ手も解放される。 なんか、また変な気分になる……。 「和弥」 「ん?」 「…ありがとっ」 そう言って、私はまた和弥の服をつかんでいた。 数秒間フリーズして、バッと手を離す。 また私は…。 何やってんの。 「…だから…勘違いすんだろーが…」 「…えっ」 「凜、嫌なら殴れよ」 「かず―――」 一瞬だけ見えた、和弥の真剣な顔。 一気に距離が縮まって、でも私にはスローモーションに見えた。 「…んっ」 キス…だ。