「おおお、な、か空いたっ」
「………」
何て聞き苦しい言葉だろう…。
戻れるなら、10秒前の自分に飛び蹴りしたい。
“もう少し一緒にいたい”
そう思ってしまった。
「かっ和弥にポップコーン食わせたから、お腹空いて…」
「………」
「あ、でもっ和弥は腹一杯だよなっ…。ごめん、やっぱ帰…ろ」
……恥ずかしい。
和弥相手に何で焦ってんの。
俯いていた顔を、私は恐る恐る上げた。
「和弥…?」
「ばーか」
「なっ…ばかって」
「あほ」
そう言って、和弥はすごく優しい笑顔を見せた。
「お前からの誘い、断るわけねーだろ」

