gangな恋



久しぶりだ。


和弥とこんな風に話すの。


学校では全くと言っていいほど接点ないし。




二人きりになるのは、亜由美のことが解決したあの日以来。


だから…。




だから正直、気まずいんだ。






「って冗談」


「えっ…」


「帰ろうぜ」




涼しげな笑顔で、またサラっと話す。




私に背を向けて、歩き出す和弥が見えた。




「……っ」




私は―――




「…………り、ん?」




なにやってんだろう、私。




とっさに和弥の服をつかんでいた。