麻衣ちゃんはコクっと頷いた。
「や、でも和弥だって聖剛さんからチケットもらったんじゃないの?」
「…それがぁ……いろいろあって、お兄ちゃんはもらってないんです」
「いろいろ?」
「い、いろいろは…いろいろですよっ」
「はぁ…」
いろいろって何だろ…、なんて考えながら、私はチケットを見つめた。
一人で行くわけにもいかないし、映画も見たいし……
和弥、誘ってみるかな…。
「わかった。誘ってみる……てか、麻衣ちゃんから和弥に言ってもらった方が早いんじゃ…?」
「だっダメですよ!凜さんから誘わないと」
「…そう?んー、わかった」
私が了解すると、麻衣ちゃんは可愛らしい笑顔を見せた。
その夜、和弥を誘ってみた。
突然の誘いに驚いたようだったけど、快くOKしてくれた。

