「っ…和弥………わりぃ」 「………」 口だけ謝っても、私は和弥の目を見ることができない。 とにかく冷静になろうと、私は深呼吸をして心を落ち着かせた。 「大丈夫か…?」 「ああ…ちったぁ冷静になれたわ」 少しだけ冷静を取り戻した私は、もう一度女の方へ向き直る。 「ふんっ…そんなに知りたいなら教えてあげるわよ」 「んだと?」 「今は使われてない南製造の旧倉庫……分かるでしょ」 旧倉庫…… 今は誰も寄り付かねぇ様なあの場所か。 女を睨みつけたまま、私は頷いた―――