「ほらほら、拗ねるな」 「拗ねてねーし」 そんなにからかい甲斐があるのか、和弥はクスクス笑いっぱなし。 本当、こんな奴に不覚にも見とれてしまった自分が情けない…… ドーーーン!! 「あ…」 「始まったな、花火」 「ん。……隣が和弥ってとこが納得いかねーけどな」 「はいはい。言っとけ」 打ち上がった花火はとても綺麗だった。 23階なだけあって、眺めは最高だ。 いつの間にか私達は言い合うことも忘れて、花火に見入っていた。