ポカンと立ったままの私の手に和弥はそっと触れた。
「和弥…」
「行こうぜ、飯」
「あ……」
明斗君の一件でもうすっかり昼時だ。
店も混んでるみてぇだし――
「そうだな。行くか………の前に手ぇ離せ」
「クスクス……そう言うと思った」
私達はパスタ屋でお昼を済ませて、また遊園地をブラブラしながら時間を潰した。
観覧車も乗って、もう日も暮れてきた。
12月にもなると暗くなるのが早ぇな……
「もう展望室行っとくか?」
「ん?ああ…行こうか」
「凜…ほら」
「……何のマネだよ」
和弥はニコッと笑いながら手を差し出した。

