女の子は口を開けて放心した感じだった。 まぁそうだよな。 「おーい、大丈夫?」 顔の前で手を振ると女の子はハッとしたように私を見た。 「あ…は、はい。あの…ありがとう…ございます」 「全然いいよ。無事ならそれで」 ニコッと私が笑うと、女の子も安心したのか表情が柔らかくなった。 「家どの辺?今日は送ってくよ」 「だ、大丈夫です!家族を呼びます!」 そう言って女の子は携帯を出し、家族に連絡をし始めた。 そして――― 「おーい、リン!大丈夫か?」 たけちゃんが走ってきた。