騒ぎ立てる女子達に対して、嫌な顔せずに和弥は愛想を振りまく。 「…さっすが猫被り野郎だ……」 口には出さない和弥の本心が容易に想像できるよ――― 「…凜、それうちらも言える」 「クス……まーねっ。そろそろ教室戻ろう」 和弥の周りの人だかりが大きくならない内に、私達は教室へと戻った。 授業中、ポケットの中で携帯が短く震えた。 すぐにバイブが止まったからメールだろうな――― こんな時間にメールしてくるのは、おそらく美咲だ。 すぐにチェックしたい気持ちを抑えて、真面目に授業を受けた。