できれば借りを作りたくないけど…… こう言われたら、大人しく従うしかない。 「…ありがとう」 生嶋からココアを受け取って、また私達は歩き出した。 さっきの静かな生嶋はどこへ消えたのか、テンションの高い生嶋が戻ってきた。 まぁ大人しい生嶋より、こっちの生嶋の方がらしいけどね。 「ありがとう、送ってくれて」 「どういたしまして。じゃあまたな」 「うん。じゃあね」 生嶋はいつもの様にニカッと笑って、来た道を戻って行った。 生嶋の家は方向違うのか…… 何か申し訳ないな、遠回りさせて。