暗いから送ってもらうなんて可愛いキャラじゃないし。
だいたい地味な私が一人で歩いたところで、誰かに声をかけられるはずもない。
「送るって。…ほら、さっさと片付けて行こうぜ?」
「え?あ、ちょっ…待っ……早っ!」
生嶋はパパッと荷物をまとめて席を立ち、入口に向かって歩き出した。
送るとか言っといて置いてくのかよ!?
急いで鞄に荷物を入れていると、ふいに和弥と目が合った。
「………」
「………」
じっと私の目を見て黙ったまま―――
チラッと入口を見ると、生嶋はもう出て行ったみたいだ。
「…なんだよ。冷やかしに来たのかよ」
私は小声で和弥に話しかけた―――

