「できた?」 「ちょ…待っ…………。………やべぇ、解けた」 「……やったじゃん」 問題が解けて喜ぶ生嶋を見て、私も自然と口元が緩んだ。 そんな時だった――― ガラッと図書室のドアが開いたかと思うと、数名の生徒が息をのんだ。 その雰囲気に気付いた私も生嶋もドアへ視線を移した。 「わ……斎藤先輩」 呟いた生嶋の横で、突然現れた和弥を私は見つめるだけだった。