和弥に言われてバイクを降りる。 ここは――― 「車庫?」 見渡すと車とバイクが何台か停められていた。 「こっち」 ぐいっと手を掴まれて歩き着いたのは、どこだか分からない家の玄関。 「でかっ!!」 とにかく大きくて、家というより城…みたいな感じだった。 私の家とはまるで別世界。 「ここ…どこ?」 「俺ん家」 「はぁぁっ「しーーっ!!!」 叫び出す私の口を、和弥は慌てて手で覆った。 「もう夜だから」 コクコクと頷くと、和弥の手から解放された。