「俺がまだ総長やってたときに見つけたんだ、この場所……」
懐かしそうに話す和弥は私から夜景へと視線を移した。
「たまに一人になりたくなって…そん時によく来てたんだよ」
「…うん」
優しく笑いながら話す姿に、この場所が和弥にとってすごく大切な所なんだと思った。
「なんか…和弥にも一人になりたい時があるって……変なの」
「変って……俺だって人間だぞ?つーか俺、けっこうまともな総長だったからな」
「……そんなん分かってるよ」
自分でまともって言ってるのには笑えるけど。
「分かってるって…?」
「和弥がどんな総長だったか……夜龍のメンバーの目ぇ見りゃ分かるってこと」
和弥がどれだけ慕われてるかね―――

