(マダム)「考える時間なら少しはあげようじゃないか。まぁアタシはどっちでもいいんだけどね。」

ｶﾞﾀﾝｯ!!

そしてマダムは弘樹の前にある席に座った。

(弘樹)「………(どうしたらいい!?どうしたら………)」

弘樹の頭はほとんどパニック状態だった。

ただ一つ認識できているのは選択を迫られているということだけだった。

(マダム)「黙りこくっちまって……まだかい？」

マダムが弘樹を急かすが、弘樹にはそんな言葉は届いていないようだった。

(マダム)「………あぁもう!!じれったいガキだね!!」

ｶﾁｬｯ!!

(弘樹)「!!」

マダムは拳銃を出して弘樹の眉間に銃口を突き付けた！

(マダム)「人を殺すか殺されるか、選びな!!」

マダムは怒声をあげて弘樹に言い放った。

眉間に触れる銃口の鉄の冷たさが、弘樹に確実なる死を実感させる。

そして弘樹は大粒の涙を流しながらこう言った………

(弘樹)「………殺し屋になります………」

弘樹は自分の命惜しさに殺し屋になることを選択した。

(マダム)「そうかい。」

そしてマダムは拳銃を下ろした。

これは弘樹の中にある正義感という本物の覚悟が脆くも崩れ去った瞬間だった………