「先生にギルさんの話を聞きました
まず謝っておきます
ごめんなさい

そして サイトというのは
私の兄です。
ギルさんにとって兄さんは憎むべき対象かもしれませんけど
どうか兄を責めないでやってください。」

ココアは
ベッドに入りながら深々と頭を下げた。

「そのサイトのせいで俺は死にかけたんだぞ!」

肩に力が入り興奮する。


「でも その
サイト君のおかげでギルは
死なないで済んだ

違うかい?」

点滴を終えて掃除をしていた医師が口を挟む。

「どっちが
正しいとかじゃなく
どっちも生き残れた
これは結果的にはいいことだよ
サイト君は今行方不明
らしいけど。」