コイアイ〜幸せ〜

「必ず、貴方のスキルアップに繋がるわ」


つららさんの言葉に、人が動く。
不思議と鼓動が速くなる自分自身に驚かされながら、俺は、遠くに見えるその姿と眼差しに、自然と惹き付けられていた。



つららさんより容姿が整った女なら、多分、たくさんいるんだろう。


けれど今の俺には、つららさんが一番綺麗に見える。




「山下チーフに御用ですか?」


その視界を遮ったのは、入社して1年目の市田美波だ。


「まあな、用があって」


そうだ、忘れていた。
午前中までに仕上げた資料を、届けにきたんだった。

市田が俺を見ている。
そういえば、なんでつららさんに用があったってわかった?


「なんでわかった?って顔してますよ?」


彼女は、可愛い顔で笑いながら俺に言った。


「わかりますよぉ、いつも、目で追ってますよね、山下チーフのこと」


「は?」


急に何を言い出すんだ、市田。


「・・・自覚なし、ですか?モテそうなのに・・・」


それとこれと、一体なんの関係があるんだ?


「山下チーフのことが、好きですよね?」