「後を追うなんてみっともない真似はするなよ。お金はもう受け取ったんだからな」
「女ならいくらでもいるじゃない。貴方は素敵よ、自慢の息子に育ったわ」
それは、思春期の俺の心を歪ませるには充分だった。
手紙に書かれていた事は、今も本当かどうかなんてわからない。
実際に荒れてしまった俺は、手当たり次第に女を変えた。
永遠の愛というものを信じたかったのかもしれない。
けれど、そんな心をあざ笑うかのように見えてきたのは、俺に溺れて彼氏を捨てる女達だった。
ただ、何年かしてそんな環境が嫌になった俺は、逃げるように海外に跳んだ。
そこで学んだのは、帝王学や経済理論。
それらを学ぶ事は楽しかったし、いろんな人種と出会う機会は、俺を閉じ込めていた世界を大きく広げてくれた。
マリカが、今どんな暮らしを送っているのかは知らないが、恨みの中に感謝の気持ちさえある。
海外で暮らす内に、永遠とはいかないが、お互いが信頼出来る関係、愛し合う関係も確かに存在するという事はなんとなくわかった。
俺には無縁なものだとは思ったが。
俺には、必要ない。
あの頃の気持ちは、もう過去のものなのだから。
「女ならいくらでもいるじゃない。貴方は素敵よ、自慢の息子に育ったわ」
それは、思春期の俺の心を歪ませるには充分だった。
手紙に書かれていた事は、今も本当かどうかなんてわからない。
実際に荒れてしまった俺は、手当たり次第に女を変えた。
永遠の愛というものを信じたかったのかもしれない。
けれど、そんな心をあざ笑うかのように見えてきたのは、俺に溺れて彼氏を捨てる女達だった。
ただ、何年かしてそんな環境が嫌になった俺は、逃げるように海外に跳んだ。
そこで学んだのは、帝王学や経済理論。
それらを学ぶ事は楽しかったし、いろんな人種と出会う機会は、俺を閉じ込めていた世界を大きく広げてくれた。
マリカが、今どんな暮らしを送っているのかは知らないが、恨みの中に感謝の気持ちさえある。
海外で暮らす内に、永遠とはいかないが、お互いが信頼出来る関係、愛し合う関係も確かに存在するという事はなんとなくわかった。
俺には無縁なものだとは思ったが。
俺には、必要ない。
あの頃の気持ちは、もう過去のものなのだから。
