―――ただ、見つけてしまったんですよ。
山下つららと言う女をね。
俺の肯定も否定もしない態度から、早見は肯定を感じとったようだった。
「…貴方は、つららをどうしたいんだ?」
「なにもするつもりはありませんよ」
「ない?」
「えぇ、今のところは」
「あんなにいい女、松本さんには、恋愛感情が無いって言い切れんのか」
「確かに彼女はいい女ですね、とても面白い。けれど、わかってはいませんね、いい女だからこそ、俺は愛さないんですよ」
早見は、歯をギリリと噛み締めたあと壁を拳で叩きつける。
「勝手な理想に巻き込んで、利用するだけ利用して、彼女の幸せは考えないのか。つららは、貴方の事を好きかもしれないんだぞっ」
それは初耳ですね。
「俺は、貴方のせいでつららが襲われた時、なんで守ってやれなかったのか後悔した。怖かっただろうが、平気な顔をするつららに、すげぇ腹がたってんだよ」
「自分より、貴方の為に動くアイツを見るのが辛い。それ以上に、松本さん、貴方が憎い」
「松本さんは、つららを、守ってやりたいとは思わないのか」
