コイアイ〜幸せ〜

「世界でも動かすつもりですか」


俺の顔に、クスリと笑みが浮かんだ。
おかしかったからだ。


…それも楽しいかもしれません。


そして、その景色を眺めているかたわらには、一人の女が一緒の景色をみている。


「…男として憧れる所はある。けどそれは、孤独な世界でもあると俺は思う…」


孤独な世界、ですか…。


俺は、一つため息をついた。


そう、裏切ることも、裏切られることもある、確かにそうかもしれませんね。


「けれど、同じ世界を共有出来る者がいたらどうでしょうか。俺を信頼して、横に立てるほどの人物がいたら…、貴方だって欲しいと思いませんか?」


思い浮かべるのは、山下つららという一人の女。


すると、早見は、寄りかかっていた壁から身体を離し、俺をジッと睨みつけた。


「そいつは、もう見つけたのか」


「さぁ?」


俺は、口元だけに笑みを作る。
ただ、可能性のある人間が、貴方の彼女かもしれないという事だけですから。



「なんでだ、ここには沢山の社員がいるだろう、優秀な奴だっている。貴方の道連れには、男だって良かったはずだ」


そうですね。
俺は、男でも女でも良かったんですよ。