コイアイ〜幸せ〜

「ただいま戻りましたって、あぁっ、すいません、松本さんに片付けさせるつもりはなかったんですっ」


俺が仕事をしていると、秘書が戻ってきた。


自分のティーカップが無いことに気が付くと、慌てて俺に謝ってくる。


冷めた紅茶なんて美味しくない。
俺が入れた紅茶が冷めきっていくのが嫌だっただけだ。


「もったいないなぁ、飲みたかったのに…」


ボソリとこぼれた独り言は無視です。


「それで、報告の方はどうなっていますか」


「はい、まだ決定事項ではありませんが、新しくソン・ブレインのOSを導入しようかと考えているそうです。コストはかかりますが、古いものを含め全てを新しいシステムに書き換える方が管理がしやすく、セキュリティーも上がります」


ソン・ブレインですか。
確かあそこは、アジアの外資系をバックに持ったソフトウェアの会社でしたね。
社長も若く、成長が期待出来る会社の一つです。



繋がりを持つのは悪くない。


「いいでしょう。詳細をまとめて来るように各部署に伝えて下さい、予算案の算出はそれからです」


「はいっ、すぐに連絡をとりますね」


彼女の顔が、一段と輝きを増した。