コイアイ〜幸せ〜

山下さんの顔が、みるみる赤くなっていくのがわかる。


「〜〜言った端からセクハラですかっ!!もう知りませんっ!」


飲みかけの紅茶をそのままに、彼女は執務室の扉にむかった。


「冗談ですよ、どこにいくんですか?」


自分の悪い癖だ。
彼女を堕とそうとしている。


「新しいシステム管理の相談に、情報処理室に行って来ますっ」


照れている顔を隠す為か、彼女はこちらを振り向かない。


けれど、扉を出たその時に、一瞬、こちらを振り返った。


「カップは後で片付けますから、あと、セクハラは本当に困りますっ、私には、彼氏がいるんですっ」


まだ顔は赤い。


そんな彼女に、にこやかに手を振った。



へぇ、早見と、ねぇ。




俺はぬるくなった紅茶を、ゆっくりと口に運んだ。