俺は、秘書からの電話を切ると警備会社の番号を呼び出した。


「あぁ、申し訳ありませんが二階の給湯室に不審者が伸びていますので、至急向かって頂いてよろしいでしょうか」


『承知しました。身柄の方はどうしましょう』


「会社に損害を与えたんですから、拘置所に入れておいて下さい。その後の事は俺に預けて頂いて結構ですので」


執務室のソファーに横たわりなから、俺は携帯を置いた。


付き合いのある会社の動向を探る為に受付けの彼女に近づいてみたものの、何度か寝るはめになった。


こんなことはたいしたことではない。
使えるものならば、なんだって使うつもりでいた。


ふと一昨日の事を思い出す。


「最近、気になる女でも出来たのかしら。…とても上の空、私では退屈?」


女からそんなことを言われたのは初めてだった。


「まぁそうですね。面白い人はいるかもしれません」


そういうと、女はクスクスと笑った。


「あら、本当だったの。また貴方のそのテクニックで落としてしまうの、罪な男ね」


俺は女の肌をなぞりながら笑う。


「貴方には関係ないですよ。でもそうですね、俺に堕ちない所が気に入ってますので」