コイアイ〜幸せ〜

その場の空気をかき消すように、いきなり、私のバッグからダースベイダーのテーマ曲が流れた。



悪魔からの連絡だっ!



失礼極まりないけれど、気持ち的に松本さんの着信音はこれにしている。


「ちょっ、宗助、ごめ…」

「待たない」


宗助だって知っているはずなのに、続きをせがむ男の子のように、私は、宗助にキスをされる。


たっぷり10秒ほど、下からすくい上げるように、優しく唇と舌を甘噛みされた。


まだ、音は鳴り止まない。

「ごめん、困るよな。いいから出なよ」


そっぽをむく宗助を見ながら、私は、慌てて携帯電話を取り出した。



「もしもし、山下ですが」


『お休み中、申し訳ありません。今、どちらにいらっしゃいますか』


その声は、いつもより違って聞こえる。
機械ごしに響いているからなのか、はっきりとはわからないんだけれど。


「長野方面ですけど、一体どうしたんですか?」


『トラブルですよ』


電話越しの声は、どこか冷めた感じだった。


「何が起きたんですか」



『顧客データが盗まれている形跡がありました』


何それ!

大事件じゃない!?