コイアイ〜幸せ〜

無言のまま、この男についていく。

俺から持ち掛けたことなのに、この気持ちはなんだろう。


ああ、アレだ。
学生時代、ヤンキーな先輩に呼び出されている時の感覚に一番近い。




「まぁ、どうぞ」


いや?違うな。
ヤンキーを仕切る優秀な生徒会長か、かなり腹黒系の。


懐かしい思い出だな、なんて思いながら、うながされるままに近くのベンチに腰をかける。


俺が座るのを確認すると、少し距離を置いてアイツも座った。


「そうですね、手短にいきましょうか」



足を組み、視線だけを俺にむける。


うっ、やっぱり目で殺されそうだ。

実は、マフィアのボスかなんかじゃないのか?



「受付けの女の子をほっといていいんですか」


そういやあの子、まだ駐車場にいたような気がする。


「そんな人は知りません」


酷い男だな。


手に入らない物ほど欲しくなる。
それが女心を刺激するのか?




「松本さん、俺がつららさんを好きな事は、もちろん知っていますよね」


前に、この人にむかって思いっきり言っちまったからな。


「ええ、知っていますよ」


この男、動揺すらしていない。
読めない人だ。