コイアイ〜幸せ〜

「帰るぞ」


つららさんの手を握って軽く引っ張る。


キスも、身体に触れることも拒否はされない。

俺の想いに流されているだけだとしても、今はそれだけで充分だ。


「うん、宗助は私に甘いよね」


甘やかしてるんだよ、つららさん。

どうみたって甘やかされ慣れていない女は、俺が惚れている女だ。


本気で甘やかす気でいたら、俺はもっと凄いからな。

ただ、重荷にはなりたくないし、押し付けるつもりはない。


「宗助、ありがとね・・・」


握っていた手を、キュッと握り返された。


その反応に、俺の方が甘やかされている気分になる。



甘やかす権利を、許されているような気がしたんだ。



「タクシーを呼ぶから」



照れ臭くなって、つららさんから視線をそらした。



「よし、元気が出てきた。せっかく美味しいお酒を飲んだんだから、明日も頑張らなくっちゃ」


明るい、つららさんの声だった。


「そうだな、また飲みに来よう」


「いいねぇ、宗助のマンションからも近いし、また来たいな」



繋がれた手の体温は、暖かくて少し冷えた身体に心地が良かった。