コイアイ〜幸せ〜

最初は、左の指先に松本さんの手が当たっているだけだった。

長椅子なんだし、詰めて座っているんだから、隣の人に当たっちゃうことなんてよくあることだよね。

そう思って、気にも留めずに宗助たちとしゃべり続ける。


チラリと松本さんを見てみたけれど、相変わらず、新堂君と話している。


この人も、お酒を飲んでいるのに変わらないなぁ。


「つららさん、今度の休みは、俺と出かけようぜ」


「二人でデートですかぁ、素敵ですねぇ」


「えっ、ちょっと、デートって・・・」


「散々俺に迷惑をかけた罰だ、いろいろ言わずに付き合え」


「早見チーフ、男らしいっ」


何故かそんな話の流れになった頃、左手に熱い感触が伝わってきた。


手の甲に、手が、手がのっかってるぅ。


偶然だと思っていたけれど、松本さんはその手はなかなかどかしてくれなくて、私の手をすっぽりと覆い隠していた。


そして、ゆっくりと私の指と指の間に、彼の指先が絡んでくる。

その感触に、私の身体はゾクリと震えた。

時折、私を試すかのように手のひらや指の間をなぞってくる。



私は、声を出さないようにするのが精一杯だった。