コイアイ〜幸せ〜

メニュー表はひとつ。
私と松本さんは、仲良くそれを覗き込むことになっている。

ハッキリ言って嫌だ。
この距離は、少しドキドキしてしまうから。


「たくさんの種類がありますね、松本さんは決めましたか」


とりあえず上司、悪魔でも上司。

あ〜、日本酒でも飲みたいなぁ〜。
チュウハイとかサワーとか、そんなものではなくガッツリと飲みたいっ。


「どうしましょうか、では、この八海山の冷酒をお願いします」


被った!
いきなり日本酒ですか、私もその銘柄大好きなのに。


「新堂君、二つでお願いします」


なんとなく悔しいけれど、そこは譲れない。


「山下さんとは趣味があいますね」


嬉しくない。


「本当ですね、私も嬉しいです」


悔しいから、悪魔に微笑んでみた。

ヤベ、微笑み返された。


「お二人はとても仲がいいんですね」


私たちのやり取りを眺めていた美波ちゃんが、ボソリとつぶやいた。

美波ちゃん、それは違うから、目の錯覚だからね。


「そうですね、一番近い部下ですから。とても仲良くしていますよ」


イーヤーダー!
だからね、この人はなんでそうゆうことをサラッと言うの!