コイアイ〜幸せ〜

「いいんですよ。ちょうど行き先が一緒なだけですから」


短い時間だけれど、松本さんの隣を歩く。
それだけのことに、妙に緊張してしまった。


そして、支えられた時に思った。

アイドルのような存在と思っていた人は、体温を持っている普通な人だった。
フェロモンとか、すごい感じはしたけれど。


「ありがとうございます、松本さん」


「いえ、どういたしまして」


まだ胸がドキドキしている。
この人は、どんな人なんだろう。


彼の存在が非現実から、現実になってしまったような気がした。


もっと、知りたいよ。


どうしたら、彼に近づける?
あの人は、どんな人が好き?




「美波、美波?どうしたの?ぼーっとしちゃって」


きっかけなんて、どこにあるかわからない。
気がつけば、私は松本さんのことばかり考えるようになった。


「ん、私ね・・・好きになっちゃったみたい・・・」


同期の友達に答える。


「急にびっくりした。で、相手は誰なのよ?」


「・・・松本さん」


友達は、さらに驚いている。


「美波、松本さんはやめた方がいいよ。傷つくのは美波だよ」


そんなこと、わかんないじゃない。