コイアイ〜幸せ〜

初めて彼を見たときは、世の中に、こんな男がいるんだって衝撃を受けた。


そして、みんなが憧れて好きになる。

私も、そんな彼を遠目で見てはキャアキャア騒いでいた一人だった。

手に入らないアイドルをみているのと同じ感覚。
彼も、私達にとても優しく接してくれる。




松本晃一と言う男は、私にとってそんな存在だった。


その気持ちが、いつごろから変わってきたのかな。







たくさんの紙の束を持ち歩いていた私は、廊下でつまずきそうになった。

ヤバい、転んじゃう。

そう思った瞬間、私は、松本さんに支えられた。


「市田さん、危ないですよ」


フワリといい香りがして、私はそっと抱きかかえられる。


「すみません、ありがとうございます」


私は、お礼を言うのがやっとだった。
憧れの、アイドルみたいな人に支えられているんだから。


何、この少女漫画みたいな展開!


「俺が運んであげますよ、可愛い人には特別です」


イケメン男の褒め言葉は鵜呑みにしないようにしているんだけれど、やっぱり嬉しくなってしまう。


「そんなことさせられません」


そんな私に、彼は優しくしてくれる。