コイアイ〜幸せ〜

今、会社のシャワー室にいる。
熱いお湯を目一杯出して、身体にかけた。


気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪いっ。

あの最低男の感触がまだ残っているようで、全身をタオルで擦りまくる。

未遂に終わったからいいものを、個人的には、グッチョグッチョのデロデロに叩きのめして、地獄に突き落としてやりたいところだった。


お湯と一緒に、涙が流れる。
でも、声を出して泣くわけにはいかなかった。

だってこの壁、めっちゃ薄いじゃんさ。



「つららさん、本当に大丈夫か?」


ほら、宗助の声が聞こえるくらいに薄い。
そんな、シャワー室の外にいたって、誰も入って来ないから。

まぁ、そばにいてくれるのは嬉しいけど。
そっちこそ仕事、抜けてきて大丈夫なの?


帰りの車の中、私には奇跡のような救出劇の全貌を、宗助は話してくれた。


私の居場所がわかったのは、携帯電話のGPS機能のおかげらしい。

あの悪魔は、私があの会社に乗り込んだのを知って、何かが起こるんじゃないかと、宗助を寄越してくれたらしいんだけど。

えっ、私の行動、あの悪魔に監視されてる?
しかも、事件が起こるって思ったら止めてよ、って思った。