コイアイ〜幸せ〜

「尾田直人、お前最低だな」


宗助の顔が、歪んで見える。


「宗助?!」


「馬鹿つらら、さっさと帰るぞ」


この状況をみれば、一目でなにが起こっていたのかがわかると思う。
宗助は拳を一度、壁に叩きつけると、私が横になっているソファまでやってきた。


「なにやってんだ、バカっ」


そう言うと、ものすごい力で抱き起こされた。


「ほんとバカだ。心配させんな、バカ」


もう、そんなにバカバカ言わないで、自分が一番わかってるから。



なに、凄い嬉しいんですけど、なにこれ。
絶対にあり得ないでしょ、助けになんてこられないはず。

安心したのか、身体から力が抜けていく。
視界がボヤけて見えるのは、涙があふれてきたからだ。


「尾田直人、殴り殺したいが、それでは犯罪になるからな。覚えておけ、俺を怒らせたからには、覚悟しておけ」


抱き締められているから、表情は見えない。けど、宗助、凄く怒ってる・・・。



すべてのことが、劇的に変わってしまった今の状況で、尾田は、一歩も動けないようだった。


「ほら、立て。こんな所に用はないだろ」


宗助が、私を支えてくれる。


「待って、宗助」