コイアイ〜幸せ〜

その声は、私の後ろ、耳元に近いところから聞こえてくる。


「しょ、証拠は、あります」


やけに業績が下がってる部署があるなぁと思った私は、挨拶回りと銘打って、コソコソ面接したり情報を収集したりしていた。

すると、私が感心するような優秀なスタッフが、ミスをしたり、表情が暗かったりと、不思議な現象が起こっていたのだ。

さらに詳しく調べてみると、個人当てに相当な金額が振り込まれていたり、不審な事故が起きたりしていた。


そして、人事部から上がってきたリストを見てびっくりしたんだ。

巧妙に隠されていたけれど、私が調べていたスタッフがちらほらと、候補に上がっているんだから。


あの悪魔からせしめた秘密データを探っていると、尾田直人という人物にたどり着く。




「それは、どんな証拠?」


ますます、声が近くなる。


「そ、そんな大切な物、持ってくるはずはない、で、しょ」



「今ここに、証拠はないんだ」


手が、私の肩に置かれた感触がした。


怖っ、後ろ、振り向けないっ。



「ヘッドハンティングなんて君の上司もやっていることだ。・・・そうだな、本当に無いか、身体検査でもしようか?」