コイアイ〜幸せ〜

今更、すべてを無しにしては帰れない。

ごめんなさい!
今のことは忘れて下さい!
ではっ、さようなら!
って言っても、返してはくれないよねぇ。


『午前の予定はキャンセルする、ああ、しばらく会う予定は入れるな、宜しく頼むよ』


お〜い、そんな電話しなくていいですから。
私のことなんて、ほっておいていいですって。


心の叫びは届くはずもなく、電話をし終えた彼は、部屋のブラインドをゆっくり降ろしていく。


「ここは、陽射しが眩しくてね」


嘘だっ!
絶対に、嘘だぁ〜!!



「ええ、そのようですね」


私は、テーブルの下で隠れている手を、ギュッと握り締めた。


「さて、続きを始めようか。君が調べたことは、まあ、よくある話だと思いませんか?」


「ええ、よくある話だと思います。・・・強引な、ヘッドハンティングさえなければの話ですが」



さぁ、言っちゃったぞっと。



「まさか、僕がそんな事をするはずがないじゃないか」


そうですよね。
そんなに簡単に白状するわけはないか。


「そうですよね、それでは事例を出してお話ししましょう」


もう、後には退けない。